自分の感情というものと向き合う時に必要なことは、すべての感情を意識にあげて、その感情に気づき、受け入れるということです。
言葉でいうほど簡単なことではありませんし、多くの人は嫌な感情を感じないよう必死になっています。
おそらく幼い頃、怒り、悲しみ、恐怖などの感情を苦しいもの、悪いもの、不幸になるものと考え、「感じなければ不幸にはならない」という観念を作るのだと思います。
なぜならそれらの感情を感じ、表現した際、何らかの形で不利な状況に陥った記憶があるからです。
もしくはこのように考えている人もいるでしょう。
悲しみや怒りというものを分析し、必死で理解しようとし、それをポジティブに転換すればいいといったいわゆるポジティブシンキングです。
しかし感情は抑圧すればするほど、苦痛が増すものです。
そのような試みは、より不幸感を悪化させる要因になりうるものです。
嫌なものだけ排除して良いものだけを掴みに行く、というのは感情に限らずなかなかうまくいかないのですね。
ここで重要なことは、問題は怒りや悲しみ自体ではなく、自分がそれにどう反応するか?なのです。
どんな種類の感情でもそれを経験しなければなりません。
でなければ、本当の意味で自分の人生を生きたという実感は持てないのです。
嫌な感情を感じることを避けるということは、良い感情も感じないようにしているのです。
全ての感情的な経験を自分を許さないと、人生ですべきことができないということが起こりえます。
自分の人生を創造するのに、知識や技術も必要なように、感情を理解し、成熟させていく必要があります。
ここでも瞑想的な教えが役に立ちます。
それは「渇望と嫌悪」の理解です。
自分の中にあるネガティブなものに嫌悪という反応をするとき、防御、回避、攻撃、服従といった働きをおこさせます。
これが発動すると人生経験が制限されてしまうので、人生で経験すべきことが経験できないまま終わってしまうということになるのです。
今回の勉強会では、主に怒りと悲しみの感情について触れました。
これまで、感情的になったらいけない、感情的になることは恥ずかしいことだと教わり、その観念から怒りを抑圧し、それとともに生きています。
さらに、その怒りの奥には悲しみや恐怖が存在しているという話をいたしました。
マインドフルネスを実践していると、ありのままを受け入れる力が身についていきます。
善悪などの判断や分析、意味付けをせずにただ感じる時間です。
それを積み重ねていくと、感情についても同じように捉えられるようになってくるのです。
渇望と嫌悪を超えていく訓練です。
そして感じたことを表現する方法を自分なりに見出していくことができるようになっていきます。
その過程には傷つくことも失敗と捉えてしまうことも多々あるでしょうが、それを乗り越えていく勇気をもつことが大切です。
その勇気は瞑想によって培うことができ、その方法をお伝えしております。
肉体、思考、感情の中で客観的になるのが一番難しいのは感情だと思います。
また12月のオンライン勉強会でも、この感情についてをテーマにしたいと思っております。
次回は感情と深く関わりのある記憶についても理解を深めていければと思います。
来月のオンライン勉強会のテーマは
・本当の自分とは何か?
・明け渡しについて
2020/11/24(火)10時〜の予定です。
今回のテーマで話を進めているうちに、肉体や思考や感情というものとの一体化をどうしたらやめていくことができるようになるのか?といった話題から、やはりここの部分の理解が深まればよりリラックスして人生を楽しめるようになるのだと思います。