マインドフルネス瞑想やヨガを行う上で大事なことは、頭の中が考えごとでいっぱいになり、今ここで起こっている事が見えていないという状態にならないようにすることです。
はじめは呼吸に意識を集中する時間です。
普段当たり前のようにしている呼吸に意識を向け続けるということがいかに難しいかに驚かれると思いますが、今この瞬間生きているということを深く実感するのです。
また、私の行うヨガは瞑想の一種です。
体を動かしながら、瞬間のあるがままの自分の体を呼吸をしながら受け入れていきます。
他の体操やエアロビクスなどとは全く違いますし、ストレッチや痩身を目的としたヨガとも違います。
体を鍛えたり痩せたりということを目的とすることもしません。
ここはとても重要なことですので、イベントの時間内だけでも意図や期待をいったん忘れて、今その瞬間に意識を向けます。
実践の結果そうなるということはありますが、最初から目的を定めることは意識を未来モードにすることになり、それはマインドフルネスではなくなってしまいます。
また、無理してかっこいいポーズをしようとすることは何の役にも立たないどころか、逆に悪影響を及ぼします。
言われたままに体を動かしていただき、痛い手前ギリギリのところでポーズをとっているときに生じる感覚を感じることが大切になります。
座っての瞑想がなかなかできないという人でも、ヨガで体を動かして自分の体の感覚に集中する体験を重ねると、座っての瞑想がやりやすくなる人が多いです。
ただ座って呼吸や感覚を観察しようとしても、慣れないうちは雑念の方に意識を引っ張られてしまいますが、ヨガで体を動かしながら呼吸や感覚に注意を向けるのは座っているだけよりもずっと簡単です。
そしてヨガをやっているうちに自分の体がリラックスする状態と、心が静かな状態の感覚を掴んでくると、その後の瞑想はとても入りやすくなります。
その体験を繰り返しているうちに、座る瞑想はより深まりやすくなっていくと思います。
ヨガでリラックスの感覚を味わい、その後、心が静まった状態で、瞑想の姿勢を保ち、自分の呼吸や感覚に心に注意を向け、ありのままを観察していきます。
ヨガの語源はサンスクリットで「結ぶ」という意味です。
自己の存在感=一つの全体の意識という感覚に結びつける助けを促すものです。
この肉体を境にして、自分と他のものは違うという分離感ではなく、あらゆるものと繋がっている一体感の感覚を思い出し、それを感じること。
それは、ずっと自分の中にあるなじみ深いもので、小さい頃はちゃんと感じていたのです。
それを感じることができれば、どこにいても誰といてもどんな状態の中にあっても、心の平安をもたらしてくれます。
今という瞬間に自己の存在を感じる体験をみなさんと共有できればと思っております。